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2020.10.13 病原体

〔受験生の日常編〕コロナを防ぐ手洗い・手指消毒を知る―受験生を守るコロナ感染対策 著者:矢野 邦夫

 

コロナ対策では手洗い・手指消毒が重要です。しかし、単に「手洗い・手指消毒をしよう」と言っても、「どうして手洗い・手指消毒が感染予防に有効なのか?」が理解されなければ、徹底することはできないし、また、適切なタイミングで行うこともできません。

新型コロナに感染した人の手指にはウイルスが付着しています。この手指が教室のドアノブや階段の手すりなどに触れれば、ウイルスが付着します。そこでウイルスはしばらくの間、感染性を維持しながら、ジッとしています。受験生がそのような環境表面に触れると、その手指にウイルスが付着します。そのまま、眼や鼻や口の粘膜に触れれば、そこからウイルスは体内に侵入していくのです。このような感染経路を遮断する最も適切な方法が手洗い・手指消毒です。

このような新型コロナの環境表面からの伝播経路を理解すれば、手洗い・手指消毒のタイミングが明らかとなります。それは、「ドアノブや手すりのような『手指の高頻度接触面』に触れた後」もしくは「手指が眼・鼻・口の粘膜に触れる前」です。しかし、「何時、『手指の高頻度接触面』に触れたか?」「何時、眼・鼻・口の粘膜に触れるのか?」を日常的に的確に知ることは不可能です。そのため、20~30分毎に手洗い・手指消毒をするというのが実践的です。

それでは、手洗いと手指消毒のどちらがよいのでしょうか? 手洗いは手洗い場まで移動して、そこで石けんと水道水で手を洗い、ハンカチで手を拭くという時間を要する行為です。しかし、アルコール手指消毒薬は常時携帯すれば、頻回に手指消毒をすることができます。ときどき、アルコールを頻回に使用すると手荒れをするのではないか、と心配する人がいますが、アルコール手指消毒薬には保湿剤が入っているので、手荒れとなる頻度は、石けんと水道水による手洗いより少ないことが知られています(1)。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

〔文献〕
(1)WHO:Guidelines on hand hygiene in health care, 2009.
http://whqlibdoc.who.int/publications/2009/9789241597906_eng.pdf

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「うっかりやりがちな 新型コロナ感染対策の間違い15」「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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