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2020.10.14 病原体

〔受験生の日常編〕必携のコロナ対策グッズを知る―受験生を守るコロナ感染対策 著者:矢野 邦夫

 

「必携のコロナ対策グッズは何か?」と問われれば、「マスクとアルコール手指消毒薬」と回答したいと思います。「マスクとアルコール手指消毒薬だけがあれば十分である」と回答してもよいかもしれません。ときどき、首下げ型除菌グッズなどを使用したり、消毒薬が入ったお守りのようなものを持っている人を見かけますが、それは効果が期待できません。そのようなものが有効であると思い込むことはウイルスに隙を与えてしまいます。真に有効なものを確実かつ正確に使用することが大切です。

現在、すべての人々は外出するときにはマスクを着用しようという「ユニバーサル・マスキング」が推奨されています。新型コロナに感染した人は発熱や咳などの症状がみられる1~2日前からウイルスを飛沫とともに排出しています。また、感染しても無症状の人もいます。そのため、元気に通勤や通学している人であっても、ウイルスを排出しているかもしれないので、自分が感染源にならないためにマスクを着用しようというものです。もちろん、マスクを着用することによって、周囲に感染者がいた場合、その人からの飛沫を吸い込むことを減らす効果も少しあります。

どのようなマスクがよいかというと、受験生にはサージカルマスクをお奨めします。飛沫を封じ込めるのであれば、布マスクでも構わないのですが、周囲の人からの感染を防ぐためには三層構造となったサージカルマスクがお奨めです。確かに、新型コロナが流行し始めたころは、サージカルマスクが枯渇したので、医療従事者が患者を診療するときに使用できるように温存することを目的として、布マスクが推奨されていました。しかし、現在はマスクの生産は十分量であり、むしろ、だぶついているくらいなので、受験生がサージカルマスクを使用することは許されると思います。

アルコール手指消毒薬についてはエタノール濃度が60%以上であることを確認してください(1,2)。これよりも低濃度であったり、濃度が記載されていない製剤は使用しないようにしましょう。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

〔文献〕
(1)CDC:Guideline for hand hygiene in health-care settings, 2002.
https://www.cdc.gov/mmwr/PDF/rr/rr5116.pdf
(2)厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の発生に伴う高濃度エタノール製品の使用について(改定(その2))
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/200423_kiho_jimu2.pdf

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「うっかりやりがちな 新型コロナ感染対策の間違い15」「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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