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2020.08.20 病原体

航空便搭乗 食事でのコロナを防ぐ!―夏とレジャーとコロナ対策 著者:矢野 邦夫

 

飛行機の機内では飲食することがあります。現在は飲み物や食事を提供することを休止している航空会社もあれば、再開した航空会社もあります。国際便ですと、飲食なしで現地まで到達することは難しいので、何らかの食べ物や飲み物は提供されることでしょう。それでは、機内で飲食するときの注意点には何があるのでしょうか?

機内での飲食の問題は一つだけです。それは、隣の座席までの距離が余りにも近い、ということです。しかし、すべての乗客が前方を向いており、対面で食事をすることはないという利点もあります。座席も固定されており、回転できないことから、横を向かなければ飛沫が自分に飛んでくる確率は俄然、減ります。

まず、同居家族と隣り合わせの場合には、楽しく会話しても構いません。自宅で長時間濃厚接触をしていることから、機内で数十分から数時間の濃厚接触をしたからといって感染のリスクが増大することはないからです。食事をしながら、会話をしても全く問題ないのです。しかし、友人やグループの人と隣り合わせになる場合は感染予防が必要となります。自分は感染していないけれども、友人は感染しているかもしれません。その逆もあり得ます。そのため、友人といえども、グループといえども、マスクを取り外した途端、会話することは是非とも避けてほしいと思います。ひたすら前を向いて食べることに専念することが大切です。一言も話さずに食べるのです。隣に、赤の他人が座っている場合は、無理をして会話をする必要はありません。黙って食べ続ければよいのです。

それでは、飲み物や食事の安全性はどうなのでしょうか? これは航空会社がしっかりと管理しているので、心配する必要はありません。安心して、飲んだり食べたりしてください。食事のプラスティックカバーにウイルスが付着しているのではないか、と心配する人もいると思います。しかし、プラスティックカバーを消毒する必要はありません。プラスティックカバーを取り除いた後に、手指を除菌ウェットティッシュで拭き取ればいいのです。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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