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2020.08.19 病原体

航空便搭乗 機内のどこにコロナいる?―夏とレジャーとコロナ対策 著者:矢野 邦夫

 

飛行機内で注意すべき環境表面で最も重要なのが座席周囲です。座席には肘掛けがあり、テーブルがあります。頭の上には荷物の共用収納棚があります。肘掛け、テーブル、共用収納棚の取っ手などは「手指の高頻度接触面」であることから、ウイルスが付着している可能性があります。

座席に座ると、前の座席の後面に雑誌やパンフレットなどが入れてあることがあります。また、個人用のテレビモニターが設置されていて、そのスイッチもあります。これらも、過去に他の乗客が触れているかもしれません。一方、座席の座面や背もたれからの感染のリスクは「手指の高頻度接触面」ほどではありません。確かに、他の客がそこに座っていたのかもしれませんが、手指が直接触れて、ウイルスが残存している可能性は低いからです。同様に、床は全く感染源になる心配ありません。誰も、床を指で直接触れることはないからです。とにかく、新型コロナウイルス対策として環境表面を考えるときには、「手指の高頻度接触面」をしっかりとイメージして、そこに触れない、触れたら手指を清潔にするということが大切です。

座席周囲の次に気になる環境表面はトイレです。数十分から数時間の搭乗時間の間に、ほぼ確実に利用する区域だからです。トイレのドアノブ、蛇口のノブ、洗浄ボタン、温水洗浄便座のスイッチなどは手指の触れるところです。トイレに移動するときに、飛行機が揺れると、とっさに身近な座席の肩の部分で体を支えると思います。そのようなところは、他の乗客も触れている可能性が高いと言えます。機内ではないのですが、ときどき、飛行機に乗ったり下りたりするときにタラップを利用することがあります。また、飛行機に乗る前にバスで移動することもあります。そのようなところには手すりがあり、多くの人々が触れています。それらも「手指の高頻度接触面」であると言えます。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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