感染対策のポータルサイト「感染対策Online」
運営会社: Van Medical
2020.08.06 病原体

帰省後のコロナ対策 帰ったら何をする?―夏とレジャーとコロナ対策 著者:矢野 邦夫

 

帰省から戻ったら何に気を付ければよいのでしょうか? この場合、「帰省者」と「帰省元」に分けて考える必要があります。

まず、帰省者についてです。帰省先の家族や友人が感染者であった場合、濃厚接触をした可能性があると考えます。そのため、新型コロナウイルス感染症を発症したときに、それに早期に気付くように、14日間は体調変化・不調に十分に気を付けます。新型コロナウイルス感染症の潜伏期間の最大日数は14日間だからです。潜伏期間の平均日数は5日程なので、帰省後5日目頃の症状には特に注意します。

この場合、発熱、咳、息苦しさ、嗅覚や味覚の喪失、全身倦怠感などがあれば、新型コロナウイルス感染症の可能性が否定できないので、保健所に相談することになります。相談するときには、帰省先が何処だったかなどを報告して、PCR検査が必要か否かの判断をしてもらいます。もし、流行地からの帰省者であれば、積極的に検査すると思います。

特に症状がなければ、PCR検査の必要はありません。ただし、帰省後に帰省先の家族や友人の誰かが新型コロナウイルス感染症と診断された場合は、濃厚接触者なので、無症状であっても保健所に報告します。そのような場合にはPCR検査を受けることを奨められることでしょう。

次は、帰省元についてです。帰省者が戻った後の家族や友人は新型コロナウイルス感染症の症状に気を付けます。特に、帰省者が新型コロナウイルス感染症の流行地域からの帰省であればなおさらです。発熱、咳、息苦しさ、嗅覚や味覚の喪失、全身倦怠感などがあれば、保健所に相談することになります。万が一、帰省者が新型コロナウイルス感染症に感染していることが判明することがあったら、濃厚接触者ということになりますので、保健所に報告します。このようなときには無症状であっても、PCR検査が実施されることでしょう。

帰省するというのは、人々が長距離を移動することであり、それと共にウイルスも移動するということになります。そのため、日本各地にウイルスが拡散される大きな誘因となります。コロナ禍が済むまで帰省を止めるというのが理想かもしれませんが、故郷への愛着があることから、帰省は続くと思います。それ故、感染してしまったときの迅速な対応が不可欠になります。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

一覧へ戻る
関連書籍・雑誌
7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策

◆標準予防策と経路別予防策は身近な例えで理解すべし! 耐性菌対策は…井戸端会議を聞いて学ぶ?! オマケにファクトシート付き!! 
◆1日1読、楽しく読んで、7日間で標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策をすべてマスター可能。
◆新型コロナウイルス対策にも活用できる、感染対策の基礎から応用までのすべてが詰まった知識充実の一冊が登場。

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野邦夫 著
2020年7月刊

見える!わかる!! 病原体はココにいます。

◆病院内の各区域のどこに病原体が存在しているのか?
◆気を付けるべき場所と病原体を見える化したまったく新しい書籍!

浜松医療センター 副院長 兼 感染症内科長 兼 衛生管理室長 矢野邦夫 著
2015年2月刊

介護スタッフのための 高齢者施設の感染対策

◆感染対策分野のエキスパートが介護スタッフのために,高齢者施設で行うべき感染対策を
 わかりやすく具体的に解説!
◆介護現場の第一線で実践的に使える,マニュアル作りにも役立つ一冊!!

東京医科大学微生物学分野 主任教授 松本哲哉 編著
2016年3月刊