感染対策のポータルサイト「感染対策Online」
運営会社: Van Medical
2021.06.07 病原体

コロナワクチン接種後に痛い・熱が出た・だるい、どうしたらいい? 著者:永井 英明

 

手洗い石けんによる手指衛生馬場先生

コロナワクチンの接種が2月から始まり、現在、高齢者への接種が進んでいます。最近は積極的に接種を受けたいという人が増え、どこの会場も予約が容易には取れない状態が続いています。イギリスやイスラエルのようにワクチン接種が進んでいる国ではコロナ患者数の減少が見られ、特効薬がない現状では、ワクチンがコロナ終息の切り札となっています。現在使用されているファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンは、副反応などのリスクよりも有効性のほうが大きく上まわっており、積極的に接種するべきワクチンと考えています。

mRNAワクチンの副反応では、注射部位に痛み、発赤、腫れが見られることがありますが、特に痛みが70~80%の人に見られます。接種部位の痛みはワクチン以外の原因は考えにくいので、ひどい場合は解熱鎮痛薬を内服してもよいです。

全身症状では、だるさ、頭痛、筋肉痛、悪寒、発熱、吐き気などが起こることがあります。全身症状については、他の病気によるものとの鑑別が必要になります。しかし、元気であった人に接種後に上記の全身症状が出た場合は、ワクチンによるものと考えてよいでしょう。全身症状が強くてつらいようであれば、解熱鎮痛薬を飲むように伝えています。ただし、発熱やだるさなどはコロナ発症との鑑別が困難で、現にワクチン接種直後にコロナを発症した症例もあります。コロナワクチンでは咳や息切れなど、コロナによく見られる呼吸器症状を引き起こさないので、鑑別はある程度可能です。

いずれにしても、ワクチン接種後のつらい症状に対しては解熱鎮痛薬の内服を許可しています。ただし、ワクチン接種前に予防的に解熱鎮痛薬を内服することは推奨されていません。

ワクチン接種後の痛みや発熱などの症状は、体が抗体を作っていることによる正常な反応なのですが、注射部位の発赤や腫れが24時間後に悪化したり、上記の副反応が2~3日で治まらないときは、医療機関に相談しましょう。また、コロナ特有の症状(咳や息切れ、味覚障害・嗅覚障害など)を認めた場合も、医療機関に相談しましょう。

(著者:国立病院機構東京病院 感染症科部長 永井 英明)

著者プロフィール

永井 英明(ながい ひであき)

国立病院機構東京病院 感染症科部長

日本結核・非結核性抗酸菌症学会(理事・指導医)、日本呼吸器学会(専門医・指導医)、日本感染症学会(専門医・指導医・ICD)、日本エイズ学会(認定医・指導医)などに所属。専門は呼吸器一般、抗酸菌症、感染症、緩和ケア。多摩府中保健所感染症協議会委員長、東京都医師会感染症予防検討委員会委員、東京iCDC専門家ボード委員などを兼任している。

一覧へ戻る
関連書籍・雑誌
感染と抗菌薬 Vol.24 No.1 2021 特集:経験に学ぶCOVID-19診療―見えてきた日本の治療指針

編集:
東北文化学園大学医療福祉学部抗感染症薬開発研究部門 特任教授 渡辺 彰
帝京大学医学部微生物学講座 主任教授 斧 康雄
国立病院機構東京病院感染症科部長 永井 英明


2021年3月刊

ばっちり安心な 新型コロナ感染対策 旅行編20

◆大好評書籍「うっかりやりがちな 新型コロナ感染対策の間違い15」に続く,旅行・帰省で役立つ新型コロナ感染対策本!
◆感染対策ポータルサイト「感染対策Online Van Medical」で2020年8月に集中連載し,大好評を得たレジャーとコロナ対策シリーズを加筆・再編集。
◆「温泉・大浴場でコロナうつる?」や「食事中にコロナうつる?」など,気になる疑問に対する答えを“感染対策のエキスパート”がわかりやすく解説。Go To トラベルで往来が激しくなる中,安心に旅行するための必携書!!

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野邦夫 著
2020年11月刊

うっかりやりがちな 新型コロナ感染対策の間違い15

◆感染対策ポータルサイト「感染対策Online Van Medical」で2020年6月~7月に連載し,大好評を得た新型コロナうっかり間違いシリーズに,加筆・修正を加えついに待望の書籍化!
◆「レジのビニールカーテン」や「ランニング時のマスク」など,日常生活の新型コロナ感染対策の間違いを“感染対策のエキスパート”がわかりやすく解説。
◆さらに,書籍のみ収録のコンテンツ「新型コロナ感染対策の正解15」で,より理解を深められ,いつでも確認できる構成! コロナ禍を生きる人々に,今,最も必要とされる一冊!!

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野邦夫 著
2020年9月刊