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2020.07.02 病原体

新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(清掃)―うっかりやりがちな感染対策の間違い 著者:矢野 邦夫

 

新型コロナウイルスが自分の住んでいる地域で流行してくると、感染しないように手洗いや手指消毒を徹底します。また、自分が感染者であった場合に、周囲の人々に感染させないようにマスクを着用します。そして、もう一つ大切なことは、環境の清掃です。

新型コロナウイルスをとても恐れている人々はアルコールなどの消毒薬を用いて、自宅のドアノブやテーブルの上、壁や床、玄関など徹底的に消毒していることでしょう。しかし、アルコールを用いれば家中にアルコール臭が漂い、酔っ払ってしまいます。塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを含む)を用いていれば、家中に塩素の臭いが充満し、息苦しくなってしまいます。本当に床や壁も消毒が必要なのでしょうか? アルコールや漂白剤を用いずに洗剤を使用して清掃してはいけないのでしょうか?

新型コロナウイルスの感染対策としての環境清掃で大切なことは「手指の高頻度接触面」の重点的な清掃です。これはドアノブや手すりのような人々が頻回に触れる環境表面です。このようなところには感染者も触れている可能性があり、そこにはウイルスが付着しているかもしれません。そこに他の人が接触することによって、その手指にウイルスが付着し、そのまま目・鼻・口の粘膜に触れて感染します。そのため、「手指の高頻度接触面」は頻回に清掃することが求められています(1)・・・

記事全文はこちらの書籍にて

 

 

 

 

 

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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