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2020.06.22 病原体

新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(PCRの意味を正しく知る)―うっかりやりがちな感染対策の間違い 著者:矢野 邦夫

 

道端に犬の糞が落ちているとします。それは「そこに犬がいた!」という根拠にはなりますが、「今、そこに犬がいる!」という根拠にはなりません。もちろん、糞をしたばかりの犬がいる可能性はありますが、犬が立ち去っていれば糞が残り、犬はいないのです。

新型コロナウイルスのPCRも同様です。鼻咽頭(鼻腔後方の突き当りの部分)に綿棒を挿入して検体をとるのですが、PCR陽性というのは、鼻咽頭の粘膜にウイルスのRNAが付着していることを示しているのであり、生きたウイルスが存在しているという根拠とはならないのです。WHOは「症状が消失した患者でも数週間はPCR陽性になるでしょう。しかし、陽性であったとしても、患者に感染性はなく、他の人にウイルスを伝播することはありません」と言っています(1)・・・

記事全文はこちらの書籍にて

 

 

 

 

 

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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