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2020.05.07 病原体

矢野邦夫タイムズ WHO COVID-19 ぷちREPORT No.4 COVID-19と身体活動の推奨レベル 著者:矢野 邦夫

 

COVID-19対策として緊急事態宣言が出され、飲食店など人々が集まるところが閉鎖されました。それどころか、公園や遊園地といった屋外活動が可能なところまで閉鎖され、人々は急速に運動不足に陥ることとなったのです。このような身体的活動の制約は精神的にも影響を与えています。WHOがCOVID-19の流行期であっても、実施すべき身体的活動の推奨を提示しているので紹介します(1)。

すべての年齢の人々が自分の健康と幸福のために行うべき身体活動の量として推奨される最低レベルは下記のとおりです。

  • 1歳未満の乳児:1日に数回身体を動かす。
  • 5歳未満の小児:3〜4歳の小児では1日1時間は適度または活発に活動しながら、少なくとも1日180分間は身体活動に費やす。
  • 5〜17歳の小児と青年:すべての小児と青年は、少なくとも週に3日、中程度から激しい強度の身体活動(筋肉と骨を強化する活動を含む)を少なくとも1日60分行う。
  • 18歳以上の成人:週に合計で少なくとも150分間の中程度の強度の身体活動を行う。または、少なくとも75分間の激しい強度の身体活動(筋肉強化活動を含む)を週に2日間以上行う。
  • 運動能力の低い高齢者:バランスを高め、転倒を防ぐために、週に3日以上の身体活動を行う。

どのような身体活動であっても、「全くしない」よりはましです。 少量から始め、時間の経過とともに持続時間、頻度、強度を徐々に増やしてゆくことが大切です。

〔文献〕
(1)WHO:Be Active during COVID-19.
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/question-and-answers-hub/q-a-detail/be-active-during-covid-19

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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