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2020.10.16 病原体

〔受験生の日常編〕友だち同士でのコロナを防ぐ!―受験生を守るコロナ感染対策 著者:矢野 邦夫

 

受験生といえども、友だちは大切です。受験期間という厳しい時期にお互いに励まし合う仲間でもあります。もちろん、勉強でわからないことを聞いたり、最新情報を交換したりすることもできます。しかし、友だちが感染していた場合には自分も感染してしまうかもしれません。その逆もあります。このようなことを避けるためには、どうしたらよいでしょうか?

最も大切なことは、マスクの着用です。友だちも自分も、必ず着用しなければなりません。新型コロナに感染していても、マスクを着用していれば、飛沫のほとんどをマスク内に封じ込めることができます。そして、周囲の人々が感染者であっても、その飛沫を吸い込むことを減らすことができます。このとき、忘れてはならないことは手指消毒です。人は無意識のうちに、マスクの外表面に頻繁に触れます。そこにはウイルスが付着しているかもしれません。そのようなところに触れた手指で眼や鼻などの粘膜に触れれば感染してしまいます。そのため、「マスク+手指消毒」を徹底します。

それでは、図書館や自習室などで友だちと一緒に勉強するのはどうでしょうか? このときは全員がマスクを着用しているし、勉強中に大声で会話することもないので、感染の機会は減ります。しかし、そのようなところで友だちに質問したりするときには、小声にならざるを得ないので、顔面を近付けてしまう心配はあります。

塾などで友だちと隣り合って授業を受けるときはどうでしょうか? このときも同様であり、マスクを着用し、お互いに会話しないようにします。そして、アルコール手指消毒を20~30分毎に行います。

友だちから参考書などを借りた場合、その表面には友だちの手指が触れていますので、使用後にはアルコール手指消毒が必要です。しかし、参考書の内容の各ページはほとんど感染源にはならないでしょう。このウイルスがボール紙の表面で感染性を維持できるのは最大24時間程度であることが知られています(1)。おそらく、通常の紙でも同様と推定されます。各ページをめくる頃にはウイルスは感染力をなくしていることでしょう。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

〔文献〕
(1)van Doremalen N et al:Aerosol and surface stability of SARS-CoV-2 as compared with SARS-CoV-1. N Engl J Med 382:1564-1567, 2020

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「うっかりやりがちな 新型コロナ感染対策の間違い15」「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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