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2020.08.27 病原体

航空便搭乗 家族・友人搭乗とコロナリスク―夏とレジャーとコロナ対策 著者:矢野 邦夫

 

同居家族が飛行機に搭乗する場合と、友人同士で搭乗する場合では感染のリスクは大きく異なります。同居家族は日常生活でも長時間濃厚接触をしていることから、飛行場や飛行機のなかで接触したからといって、感染のリスクが大きくなることはありません。同居家族は1つのグループとして考えればよいのです。そのため、家族同士で楽しく会話をすればよいし、一緒に食事をすればよいのです。談笑もよいでしょう。あくまでも、これは同居家族での話です。

しかし、家族であっても通常は同居していない場合はそのような対応はできません。例えば、4人家族が近くに住んでいる祖父母と一緒に飛行機に乗るという状況です。同居家族と異なり、日常的に濃厚接触をしているのではないので、やはり異なるグループと考えるべきです。すなわち、4人家族で1グループ、祖父母で1グループの合計2グループということになります。このような異なるグループの間でのウイルスの伝播は防がなければなりません。そのため、家族といっても、同居家族でなければ、感染のリスクは増大します。

友人と一緒に搭乗する場合も、同居していない家族と同様です。どんなに親しい友人であっても、別のグループと認識すべきです。友人が感染しているかもしれないし、自分が感染しているかもしれません。そのため、自分と友人の間でウイルスが伝播するリスクがあります。

このように「同居家族」の搭乗と「家族(同居家族以外を含む)」「友人同士」の搭乗では、感染のリスクが異なることを知ることが大切です。後二者では、隣り合わせの座席に座る場合はマスクを着用する必要があります。そして、食事のときには談笑しません。黙って、前を向いて食事をし、一言も会話をしないという対応が必要となります。家族や友人以外の他人が隣の座席に座っている場合も同様の対応となります。

ときどき、機内という密閉空間に長時間滞在することを心配する人がいますが、機内は換気がよいので、空気の汚染を恐れる必要はありません。一見、密閉空間に思えるかもしれませんが、換気の面からすると、開かれた空間と言えます。また、新型コロナウイルスは空気感染しません。機内の空気については心配する必要はありません。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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