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2020.08.08 病原体

新幹線・特急列車 トイレでのコロナを防ぐ!―夏とレジャーとコロナ対策 著者:矢野 邦夫

 

新幹線・特急列車のトイレは個室です。そのため、トイレ内で周囲の人から飛沫によってウイルスが伝播することはありませんが、環境表面は伝播経路になり得ると考えてください。それでは、トイレを使用するときにはどこに注意すべきでしょうか?それは、ドアノブです。トイレのドアノブは新型コロナウイルスのみならず、ノロウイルスや大腸菌など様々な病原体が付着している可能性があります。その他に汚染している可能性のあるところは、温水洗浄便座のスイッチの部分です。また、トイレの使用後に水を流すための洗浄ボタンも汚染していることでしょう。これらも、トイレを使用した直後の人の指が確実に触れるところです。やはり、新型コロナウイルスのみならず、腸内細菌などによって汚染されている可能性があります。そのため、トイレのドアノブ、温水洗浄便座のスイッチ、洗浄ボタンなどに触れたら手洗いや手指消毒をすることが大切です。

それでは便座はどうかというと、ドアノブや温水洗浄便座のスイッチと比較して、新型コロナウイルスの汚染の頻度は少なくなると思います。もちろん、便に含まれている病原体の付着の可能性は高いと言えますが、新型コロナウイルス対策としては、危険度は減ってきます。そのため、通常通りの対応でよろしいと思います。すなわち、日常的に便座をアルコールなどで拭き取る人はそのようにしていただき、拭き取らない人はそれでよいと思います。新型コロナウイルス対策で重要な環境表面は「手指の高頻度接触面」と考えてください。

ときどき、トイレを直前に使用した人が新型コロナウイルス感染者であった場合、空気が汚染していて、直後にトイレに入ってしまうと、それを吸い込んで感染するのではないかと心配する人がいますが、心配の必要はありません。新型コロナウイルスは空気感染しないので、空気を気にする必要はないのです。また、トイレの換気は良好です。「飛沫」や「手指の高頻度接触面」に十分に注意を払うことが大切なのです。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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