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2020.08.12 病原体

旅館・ホテル宿泊 個室内でコロナうつる?―夏とレジャーとコロナ対策 著者:矢野 邦夫

 

旅館やホテルの個室内であれば、新型コロナウイルスに感染するリスクは格段に減ります。個室といっても、1人部屋、2人部屋、ときどき、3人以上が泊まれる部屋があります。まず、同居家族と一緒に個室に寝泊まりする場合は感染のリスクはありません。同居していることから、すでに長時間の濃厚接触をしているので、旅館やホテルで一緒に泊まったからといって、感染のリスクが増大することはありません。

しかし、友人との旅行では別の個室に1人ずつ泊まったとしても、寝る前などで、どちらかの部屋に集まって、マスクを着用せずに、談笑や大声を上げたりすれば、飛沫が大量に発せられる状況になるので、感染のリスクが増えます。もちろん、2人部屋で泊まれば感染のリスクはさらに増大します。また、グループでの旅行の場合、寝る前などで1つの部屋でみんなが集まって談笑したり、ゲームをすればそこでクラスター感染することになるでしょう。

感染対策については、同居家族と一緒の個室であれば日常生活と同じようにすればよいのです。同じ部屋で談笑しても構いません。しかし、友人との旅行の場合には、同部屋に泊まるのではなく、個々の部屋を使用するようにしましょう。そして、2人が集まって、同じ部屋でマスクを着用せずに、叫んだり、大声を出したりして長時間を過ごすことは避けるようにします。グループの場合も同様であり、同じ部屋で集まることは避け、大声を上げたり、歌ったりして、飛沫が大量に発せられる状況を作り出さないようにします。

それでは個室の中の空気や環境表面についてはどうでしょうか? このウイルスは空気感染しないので、その部屋を利用した人が感染者であっても、空気についての心配はありません。ドアノブやテーブルの上などもホテルで清掃していますが、短い時間での清掃であるため、十分に消毒できているかは不明です。そのため、自分でも念のために、消毒しておくとよいでしょう。どこを消毒するのかというと、やはり、ドアノブなどの「手指の高頻度接触面」ということになります。布団などについては、布団カバーやシーツが交換されているので、そこからの感染は心配する必要はありません。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。

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