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2020.06.16 病原体

新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(窓を開けてのエアコン)―うっかりやりがちな感染対策の間違い

著者:矢野 邦夫

夏の暑い日には室内温度を下げるためにエアコンを使用します。しかし、新型コロナウイルス感染対策が必要ということで、換気を目的として、窓を開けっ放しにしているところがあります。これでは室内温度を適切に保つことはできず、マスクの着用を強いられている人々が熱中症になってしまいます。「室内気温を下げたい」「換気をしたい」という相反する対応をどうしたらよいでしょうか?

このような心配の元としては2つの研究結果があると思います。一つ目は、特別な画像を使用して呼気を視覚化した研究です。ここでは会話、咳、くしゃみによって発生したエアロゾルがガス雲として運ばれ、2メートルを超えて水平方向に流れてゆくことが示されました(1~3)。二つ目は実験的に生成されたエアロゾルで新型コロナウイルスが少なくとも3時間生存可能であったという研究結果です(4)。これらの研究結果がテレビで放映され、一般市民を恐怖に陥れました。しかし、日常生活で生み出されたエアロゾルによって、実際に新型コロナウイルスを伝播させたという事例はないのです(5)・・・

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著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。