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2020.06.09 病原体

新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(消毒薬の身体への吹き付け,噴霧)―うっかりやりがちな感染対策の間違い

著者:矢野 邦夫

新型コロナウイルスの流行によって、消毒薬が頻繁に使用されるようになりました。もちろん、適切に使用されるのであれば、感染対策としては問題ないのですが、有害な使用法は是非とも止めなければなりません。そのためには、消毒薬の調整法・保存法と使用法について再確認する必要があります(1)。

まず、消毒薬の調整法と保存法です。ドアノブなどの環境の消毒では漂白剤が使用されることが多いのですが、それを希釈するときには、室温の水のみを使用すべきです。そして、漂白剤と酢を混合してはいけません。また、漂白剤とアンモニアを混合することも避けなければなりません。漂白剤を酢またはアンモニアと混合し、熱を加えると、塩素ガスとクロラミンガスが発生します。これらを吸入すると肺組織に深刻な損傷を与える可能性があるからです。消毒薬を希釈する時は、手袋やゴーグルを着用して、皮膚や眼を守ることが大切です。また、換気も大切です。さらに、消毒薬は子どもの手が届かないところに保管しなければなりません。子どもが飲み込んだりすると、粘膜の刺激、胃腸への影響、そして重症の場合にはアルコール毒性を引き起こすことがあります・・・

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著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。