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2020.10.26 病原体

〔家族と自宅編〕外出時のコロナリスクを下げる―受験生を守るコロナ感染対策

著者:矢野 邦夫

受験生の親は、自分が子どもへの新型コロナの感染源にならないように細心の注意を払うべきです。親が外出中(通勤や仕事、買い物、忘年会や新年会など)に感染し、それを自宅に持ち帰ることは是非とも避けなければなりません。そのため、受験が終わるまでは、親も他の人と接触する回数を減らす努力をします。特に、マスクを取り外すような会食や飲み屋での宴会はウイルス伝播の最たる機会でもあるので、今年に限っては忘年会や新年会といえども、欠席することをお奨めします。確かに、宴会場も感染対策を強化して、客の感染を防ぐ努力をしているので、感染の機会は随分減っていると思います。しかし、受験生を抱えた親は特別です。子どもを守るためには、欠席はやむなしと考えてください。

新年になって、神社などに合格祈願に行く親もいるかもしれません。受験生が行くことは時間的な浪費となり、感染の機会が増えることから、親や家族が代理となって祈願することがあります。しかし、多くの人々が参拝に訪れているであろう神社などには感染者も紛れ込んでいることでしょう。そのようなところには、近付かないことがベストと思います。

それでは買い物はどうでしょうか? 食料品など生活用品の購入は必須のことです。この場合、マスクを着用し、20~30分毎に手指消毒をするという厳重な感染対策の下で買い物をします。そうすれば、親がデパートやグローサリーなどで感染して、自宅にウイルスを持ち帰る機会は大きく減少します。親が通勤や仕事に出かけるときも同様であり、特に、満員バスや電車に乗車するときには、必ずマスクを着用して、20~30分毎に手指消毒をします。会社でも多くの人々が仕事をしていることから、その中には無症状や発症前日の感染者がいるかもしれません。やはり、マスクの着用と手指消毒を徹底します。

(著者:浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長 矢野 邦夫)

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著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「うっかりやりがちな 新型コロナ感染対策の間違い15」「7日間できらりマスター 標準予防策・経路別予防策と耐性菌対策」,「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。