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2020.09.16 領域・分野別

コロナ感染対策下のうつうつとした気分を晴らす方法―スポーツメンタルトレーニングから

著者:高妻 容一

メンタルトレーニングには、プラス思考にするための「プラス思考のトレーニング」というものがあります。マイナス思考の人は、生まれ育った環境(家庭・学校・職場・友人関係など)から、マイナス思考が「習慣化」されています。この習慣化されたマイナス思考を変えることは簡単ではありません。そこで、スポーツ界では、このマイナス思考を「メンタルトレーニング」という形で、毎日コツコツと積み上げ、少しずつプラス思考にしていく方法があります。

スポーツ選手は、大会や試合、またケガからくる不安・心配・悩みを常に対処することが求められます。みなさんは、最近の新型コロナウイルスの影響で、不安・心配・悩みなどがあると考えます。これらの不安・心配・悩みなどは、マイナス思考だと考えれば、これをプラス思考に変えていくことが重要です。

最初に、あなたがコントロールできる(自分でどうにかできる)こと、コントロールできない(自分ではどうにもできない)ことを分析(発見)し、できることだけを考えましょう。

1.過去:過去のことはいくら考えても二度と戻りません。過去のミスや出来事は考えるだけ時間の無駄です。
2.未来:未来のことは、やってみないとわかりません。コロナに感染したらどうしようと考えても時間の無駄です。
3.他人:他人をコントロールすることはできません。
4.自然や天候:雨や台風、気温などを考えても、コントロールできません。

新型コロナウイルスは、あなたがどうにか(コントロール)できますか?

次に、「あなたがコントロールできることは、何ですか?」それは、今現在のあなたの考え方や行動なのです。つまり、自分ができないことを考えるのは時間の無駄という理論です。今現在、何がベストかを考え、行動し、プラス思考を習慣化しましょう。

(著者:東海大学体育学部 教授 高妻 容一)

著者プロフィール

高妻 容一(こうづま よういち)

東海大学体育学部 教授

1955年5月10日生 宮崎県出身。福岡大学体育学部卒(1979年)、中京大学大学院体育学研究科修了(1981年)、米国フロリダ州立大学教育学部運動学習・スポーツ心理学博士課程留学(1985年)、米国フロリダ大学研究留学(1年間・1993年)、米国フロリダ大学研究留学(半年・2017年)、メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会代表・事務局、プロ・オリンピック・実業団・大学・高校・中学・小学生のメンタルトレーニング指導・サポートを実施、近畿大学教養部(1986~2000年)、現在 東海大学体育学部 教授(2000~現在に至る)