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2020.09.01 領域・分野別

コロナ感染対策下の部活動でモチベーションをあげるには―スポーツメンタルトレーニングの観点から

著者:高妻 容一

最初に、メンタルトレーニングのプログラムの中に、プラス思考のトレーニングがあります。「プラス思考になれ!」というのは簡単ですが、「何をどうしたらプラス思考になれるのか?」を理解している選手やコーチがどれだけいるのでしょう。この新型コロナウイルスの影響で、試合や練習が制限されています。多くの人が文句・不平・不満を言い、心配や不安を持っているようです。プラス思考の基本は、あなたがどうしようも(コントロール)できないことを考えないことです。過去や未来、自然や天候、他人、そしてコロナは、あなたがコントロールできないことですから、考えるだけ時間の無駄です。しかし、今現在、あなたができるベストに意識を集中することはできます。つまり、今の現状であなたができるベストを尽くし、考え、行動することが重要です。今のあなたの状況をどうすれば良い方向へ持っていけますか? 逆に、この状況をどうすれば利用・活用・発展できますか? このように前向き・積極的・良い方向へ考えることがプラス思考のトレーニングです。具体的には、口から出る言葉・独り言・声・会話をすべてポジティブにし、あなたの目・顔・姿勢・行動を自信があるようにふるまうというトレーニングをお勧めします。

次に、「あなたの夢は何ですか?」「その夢を達成するためには、いつまでに、なにをどうしたら、その夢が達成できますか?」「その夢を達成するためのプラン(計画)は、できていますか?」「あなたの年間計画・月間計画・週間計画・毎日の計画・今日の目標と計画はできていますか?」 これらは、目標設定という「やる気を出すためのプログラム」です。まずは、書いてみましょう。スムーズに書けましたか? 考えないと書けなかったですか? 書いて、自分がやるべきこと・やりたいことは明確ですか?

メンタルトレーニングでは、このようにやる気を高め、あなたの未来を明るくするのです。いかがですか? 興味をもってもらえたら、幸いです。

(著者:東海大学体育学部 教授 高妻 容一)

著者プロフィール

高妻 容一(こうづま よういち)

東海大学体育学部 教授

1955年5月10日生 宮崎県出身。福岡大学体育学部卒(1979年)、中京大学大学院体育学研究科修了(1981年)、米国フロリダ州立大学教育学部運動学習・スポーツ心理学博士課程留学(1985年)、米国フロリダ大学研究留学(1年間・1993年)、米国フロリダ大学研究留学(半年・2017年)、メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会代表・事務局、プロ・オリンピック・実業団・大学・高校・中学・小学生のメンタルトレーニング指導・サポートを実施、近畿大学教養部(1986~2000年)、現在 東海大学体育学部 教授(2000~現在に至る)