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2020.06.03 病原体

新型コロナウイルス第2波・第3波にそなえた感染対策(手指温風乾燥機の使用禁止)―うっかりやりがちな感染対策の間違い

著者:矢野 邦夫

乾いた砂浜の上に、乾いた手のひらを押しつけてみると、パラパラと少数の砂が手のひらに付着します。今度は、濡れた手のひらを砂浜に押しつけたらどうなるのでしょうか? べったりと、かなり多くの砂が手のひらに付着することでしょう。濡れた手指には様々なものが付着しやすいのです。CDC(米国疾病管理予防センター)は「濡れた手指は、より多くの病原体を移動させる」と注意を促しています(1)。手指を乾燥させることは感染予防において大切なことなのです。

最近、ショッピングモールなどで、手指温風乾燥機が感染予防には不適切ということで、使用禁止となっています。エアロゾルが舞うからのようです。そのため、手洗いした後に手を乾燥させることができず、濡れた手のままトイレから出てくる人々を見かけます。ハンカチで手を拭けばよいのではという方もいるようですが、ハンカチは1日に何度も使用されており、汚れています。しかも、バッグやポケットという不潔なところに無造作に置かれています。ハンカチを何日も交換しない人もいます。せっかく洗った手指を汚染したハンカチで再び汚すのです・・・

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著者プロフィール

矢野 邦夫(やの くにお)

浜松医療センター 院長補佐 兼 感染症内科部長 兼 衛生管理室長

インフェクションコントロールドクター,日本感染症学会専門医・指導医。感染制御の専門家として多くの著書・論文を発表している。主な書籍に「救急医療の感染対策がわかる本」,「知って防ぐ!耐性菌 ESBL産生菌・MRSA・MDRP」(ヴァン メディカル刊)など。